転職のマインド

【転職2.0】転職の新常識

転職についての印象や価値観は年代によって異なります。退職を迎えようとしている60〜70歳代の価値観では「新卒で入社した企業で勤め上げる」「昇進して高い地位を獲得する」というマインドが大半を占めており、転職という行為に対してネガティブに捉えていました。今でも一部の若い世代にその考え方は伝播しています。

ですが転職の新常識ではそれらのマインドは一変します。転職市場では常に新しい考え方が求められ、古い価値観をもったサラリーマンは生きづらい世の中になっています。

この記事では村上臣 氏の著書『転職2.0』から現代社会における転職の新常識とキャリア形成のマインドについてご紹介します。より詳しく知りたい方は是非書籍を購入して読んでいただきたいと思います。

この本で紹介されている「タグ付け」で希少価値を獲得する方法は、当サイトでもおすすめしている多能工のキャリア形成にも通じます。転職に対して不安に思っている方、どのようなキャリアを形成するか迷っている方は是非参考にしていただければ幸いです。

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この記事でわかること
  • 転職1.0と転職2.0の違い
  • 望みのキャリアを手にする転職2.0の考え方
  • タグ付けと発信による転職の新常識
  • 転職2.0と多能工戦略について

転職2.0の著者 村上臣 氏について

  • 大学在学中に仲間とともに有限会社「電脳隊」を設立。その後統合したピー・アイ・エムとヤフーの合併に伴い、2000年8月にヤフーに入社。その後2011年に一度ヤフーを退職。
  • ソフトバンクの孫正義が後継者育成のため始めた「ソフトバンクアカデミア」で、ヤフーの経営体制の問題点を指摘したことを機に、当時の社長や新経営陣に口説かれ2012年に再びヤフーに出戻る。若干36歳でヤフーの執行役員兼CMOに就任。
  • 2017年11月に米国の人材系ビジネスの最前線企業LinkedIn(リンクトイン)の日本代表に就任。複数のスタートアップの戦略・技術顧問を務める。
  • 2022年4月グーグル日本法人に入社。

上記の経歴から[起業]・[入社]・[退職]・[出戻り入社]・[転職]と様々な手段で社会を渡り歩き、自身の市場価値を最大化したことが伺えます。「起業家」「サラリーマン」「経営者」という複数の視点を併せ持つ村上氏の目から見る現代社会における転職のマインドは全ての社会人に刺さる内容でしょう。

転職2.0とは

書籍の題名「転職2.0」ですが、これは転職のマインド-バージョン2.0を指します。かつてのバージョン1.0の時代から、今まさに時代は2.0に変わりました。村上氏はこの変化に対し「我慢しながら働く時代はもう終わった」とポジティブに捉えています。転職の新常識を抑えていれば、誰もが理想の働き方ができる時代になったのです。

転職1.0と転職2.0の違い

転職2.0とは、それまでの転職1.0とはそもそもの目的が異なります。以下は抜粋です。

転職1.0では「1回の転職の成功」自体を目的としていました。確かに、ほとんどの会社が終身雇用を採用し、転職をしてもせいぜい1度という時代には、1回の転職に成功することに大きな意味がありました。しかし、会社の寿命よりも個人の労働寿命のほうが長くなり、人が職業人生において何度も転職を経験するのが当たり前になるこれからの時代は、転職の目的は転職自体であってはなりません。上位の目的は「自分株式会社の時価総額の最大化」であり、転職はその手段と捉え直すべきだというのが、転職2.0の軸になります。

書籍「転職2.0」はじめに 4〜6P

転職1.0では「1回の転職の成功」を目的としていました。ほとんどの会社が終身雇用を採用し、転職をしてもせいぜい1度という時代には、1回の転職に成功することに大きな意味がありました。

しかし会社の寿命よりも個人の労働寿命のほうが長くなり、職業人生において何度も転職を経験するのが当たり前になるこれからの時代は転職自体が目的であってはいけません。上位の目的は「自分株式会社の時価総額の最大化」であり転職はその手段と捉え直すべき、というのが転職2.0の軸になります。

『転職2.0』 1章と3章を紹介

『転職2.0』は全7章からなります。この記事では【1章:望みのキャリアを手にする】と【3章:自己を高める】から当記事の執筆者である私の解釈で要所を紹介します(一部、書籍の内容とは異なる例えなどを挟みます)。

他の章も重要な内容なので是非書籍を読んでいただきたいと思います。

【1章:望みのキャリアを手にする「転職2.0」とは】

一昔前までは個人のキャリア形成を会社が決めていました。分厚い研修を施し、年功序列の昇給制度でポジションを与えていきました。しかし状況は一変します。終身雇用制度は崩壊し、会社は社員に対して十分な研修を施す余力もなくなってきました。

転職2.0ではこの事実に対し、悲観することはなく”これからのキャリア形成は個人の意思決定によって自由に選択できる”と説いています。しかし私たちは自由な意思決定をする術を知りません。そこでこの1章では5つのキーコンセプトを提示してくれています。

『目的』『行動』『考え方』『価値基準』『人間関係』それぞれ詳しく紹介します。

『目的』転職は市場価値を高める手段

かつては1回の転職で一気に年収を上げることが目的となっていました。結果的に目先の年収につられ具体的な仕事内容をよく理解しないまま入社し、仕事が合わずにすぐに離職することが往々にしてありました。

ですが健康寿命が伸び、これからは人生100年時代と言われています。もはや3回、4回と転職するのが当たり前です。そこで重要となるのが「一定期間内に成し遂げたいこと」を明確化することです

今後は短い期間でのプロジェクトベースの採用が一般化します(ジョブ型雇用)。プロジェクトごとにどのような成果を出せたのかが問われるようになり、成果によって評価されます。したがって多くの場数を踏むことが自分の評価を上げることに直結します。つまり転職こそが市場価値を高める手段であるということです。

@takeno_kotori

『行動』タグ付けで希少価値を高める

転職の新常識で抑えておきたい行動として「タグ付けと発信」が挙げられます。タグ付けとはSNSでよく用いられる#(ハッシュタグ)の考え方です。

旧来は転職サイト等で情報を収集することに終始していましたが、それでは市場価値はあがりません。今後は収集するのではなく自身のタグを発信することで企業に自分を売り込んでいく姿勢が求められます。つまり自分の強みや特徴をタグ付け(#法人営業の経験あり #TOEIC 620点 、、、etc)してSNSなどで積極的に発信するのです。

最近は企業側も応募してきた人のSNSでの発信を確認するようにしています。発信を見ることで企業が求めるタグを持っているのかが確認できるので、ミスマッチを防げるというメリットもあります。

『考え方』目指すポジションから逆算する

従来の「スキル思考」に代替する考え方こそ「ポジション思考」です。スキル思考とは将来なんの役にも立たない資格や技能を収集することに満足してしまう思考です。

この新人が将来なりたい職業は統括マネージャーです。なら目先のレジ打ちに全集中するのではなく、本当に必要なマネジメントやマーケティングを身につけることに精を出す方が得策です。マネジメント職に就いている先輩社員に同行して技術を盗んだり、書籍等で学んだりすることが目標への近道となります。

このように目指している将来像から逆算し、それに近づくために必要な技術や仕事を特定してそのタグを獲りに行く考え方こそがポジション思考です。

『価値基準』シナジーを基準に仕事を選ぶ

かつては会社で仕事を選ぶという考え方が主流でした。人気就職先ランキングの上位に転職することがキャリアアップであると考えていました。しかし会社で仕事を選ぶと多くの場合で以下のようなことになります。

  • 仕事内容が合わず嫌な仕事を我慢して行う
  • 有名な会社で選ぶと転職先が限られてしまう

新常識での価値基準は「シナジーで選ぶ」です。会社と社員の双方の利益が合致することで相乗効果(シナジー)を生み出すことができます。

社員は仕事で成果を上げ目的のタグを獲得し、会社は必要なスキルをもつ人材を採用して成果を上げます。双方がwin-winの関係でいられるような環境を構築することが満足度の高い仕事ができる要素となります。

『人間関係』広くゆるいつながりをつくる

従来はビジネスを成功させるためには人脈が大事と言われてきましたが、SNSで個人が情報発信できるようになった現代ではネットワークでのゆるいつながりが重要となってきます。

人脈は「狭く深い」つながりに対し、ネットワークは「広くゆるい」つながりです。企業側がSNSの発信を見て直接オファーを出すダイレクトソージングや、内部に所属する社員から紹介してもらうリファラル採用が日本でも急速に増えています。

人脈という狭い人間関係の中では望み薄かもしれませんが、ネットワークでの広いつながりならどこかにキーパーソンがいるかもしれません。

【3章:自己を高める -「情報収集」から「タグ付けと発信」へ②】

従来の積み上げ型のキャリアは1つのタグをひたすら強化していくイメージです。「〇〇一筋20年」という言葉には重みがありますが、そのタグが賞味期限を迎えるかもしれないというリスクをはらんでいます。スーパーのレジ打ちもそのうち賞味期限を迎えるでしょう。

このように一点突破のキャリア構築はリスクが大きすぎるという問題があります。ではどのようにすればリスクを抑え、なおかつ市場価値を高めることができるのか?その答えこそが「タグの掛け合わせ」です。

どんなタグと掛け合わせるか

企業がほしいと思う人はプロジェクトを進行していくうえで必要なタグを持つ、”いそうでいない人材”です。つまり希少性のある人材です。

希少性を高める方法として有効なのは「タグの掛け合わせ」です。タグを掛け合わせることでキャリアの延長線上とは違うポジションに行くことができます。

営業と英語のかけ離れたタグから海外法人向けの営業が出来る人材だということが想起できます。このようにタグ同士を掛け合わせることで唯一無二の存在になりますので希少性が高まります。

どうやってそのタグを手に入れるか?

新しいタグを入手する方法は、タグが手に入る仕事に転職することです。

転職2.0では転職エージェントを活用する方法を推奨しています。企業は新規事業を立ち上げるにあたってエージェントを通じてリクルーティングを行うことがあります。そのためエージェントはまだ公表されていない最新の情報を持っている可能性があります。

市場の最新動向を知るためにも転職エージェントを利用して情報収集を行うのは非常に有効であるといえるでしょう。

転職エージェントについてはこちらの記事でも解説しています
【詳細記事】【会社脱出】転職を決意するマインド

転職2.0と多能工戦略

転職2.0ではタグ付けを通じて希少性を高め、市場価値を高める方法を解説しています。この考えは当サイトでも紹介している多能工のマインドと類似します。

多能工は複数のスキルを掛け合わせることで希少性を高めることができる働き方です。つまり多能工としてキャリアを構成する「多能工戦略」こそ転職2.0に内包される考え方であるといえます。

【多能工戦略の詳細記事】スキルの掛け合わせで希少性を獲得する方法

多能工戦略を用いてキャリアアップを目指す方にとって転職2.0はその指針となるでしょう。興味をもっていただいた方は是非書籍を購入して読んでもらいたいと思います。

【転職2.0】転職の新常識
  • 転職1.0では1回の転職の成功が目標だったが、転職2.0では3回、4回と転職して「自分株式会社の時価総額の最大化」を成すことが目標であり、転職はそのための手段。
  • 第1章では望みのキャリアを手に入れるためのキーコンセプトを紹介
    『目的』:転職は市場価値を高める手段
    『行動』:タグ付けで希少価値を高める
    『考え方』:目指すポジションから逆算する
    『価値基準』:シナジーを基準に仕事を選ぶ
    『人間関係』:広くゆるいつながりをつくる
  • 第3章では自己の市場価値を高める方法を紹介
    ・#タグの掛け合わせにより希少価値を創造する
    ・転職エージェントを利用して情報収集する
  • 転職2.0の#タグの掛け合わせの考え方は多能工のマインドに通ずる。転職2.0を理解することで多能工戦略に活かすことができる。