転職のマインド

スキルの掛け合わせで希少性を獲得する方法

検索サイトで「10年後になくなる仕事」と検索するとこのような結果が表示されます。

AIによってなくなる可能性のある仕事・職業は以下のとおりです。

・一般事務員
・銀行員
・警備員
・建設作業員
・スーパー・コンビニ店員
・タクシー運転手
・電車運転士
・ライター

ギクッ!とした方もいるのではないでしょうか。かくいう私も建設作業員(電気工事士)ですので、この中に当てはまってしまいます。

「運転手やライターは言い過ぎじゃない?」
「ほんとになくなるの?」

このような声もありますが、実際かなりの確率でなくなる仕事です。

欧米や中国では自動運転開発はかなり進んでおり、中国、ドイツでは一部の公道で自動運転の許可がおりています。日本は法規制の壁が厚く海外に先を越されていますが、遠からず人が車を運転しない時代がやってきます。「人が車を運転していたなんて信じられない!」という若者が現れる未来がくるのです。

ライターにしかり、現時点ですでにAIライターが導入されています。アメリカの会社Articoolo.linkが提供する「Articoolo」というツールを使えば2〜5個の単語を入力すれば自動で文章を生成してくれます。実は日経新聞はすでにAIライターを導入して効率化を図っています。

AIライターによる記事作成

さらに、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授と野村総合研究所の共同研究により、2015年にこのような発表がなされました。

「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能になる」

それも2030年にはこのパラダイムシフトが起きているというのです。このような未来に対し、私たちはどのような備えをしなければいけないのでしょうか。

キーワードは希少性です。AIやロボットに代替されないためにも希少性を身につけなくてはなりません。そして希少性を生むものこそ「スキルの掛け合わせ」です。

この記事では論文データ等を交え、スキルの掛け合わせによる希少性の獲得について詳しく解説します。

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この記事でわかること
  • 希少性を獲得することの重要性
  • スキルの掛け合わせによる効果
  • 多能工戦略によるキャリア形成法

希少性を獲得することの重要性

職を探している人

現代社会において希少性を獲得することは極めて重要です。それは社会の変化やテクノロジーの進化により私たちの仕事がなくなっているからです。何故そのような現象が起きているのか、詳しく見ていきましょう。

終身雇用制度の崩壊

2019年4月、経団連会長が「終身雇用はルールではない。産業が新陳代謝する中で社会の仕組みが変わらなきゃいけない時代がきた。」と述べました。またトヨタ自動車の豊田章男社長も「終身雇用を守っていくことは難しい」と発言しました。

日本の経済を先導するこの2人の言葉からも、既に終身雇用制度は崩壊に向かっています。
もはや大企業であろうとも、入社すれば将来安泰などという言葉は過去のものになりました。会社に貢献できないものから順にリストラの対象となり職を失ってしまう時代なのです。

AIやロボットに代替される仕事

冒頭にもありましたが2030年には49%の仕事が人工知能やロボット等で代替可能になるという研究結果が出ています。これは誰かが安易に想像を膨らませた産物ではなく、データと統計に裏槌された事実です。

代替される順番として真っ先に挙げられるのが『マックジョブ』といわれるマニュアルに従って働く人たちです。買い物のレジ打ちや受付業務などがこれにあたります。

マニュアル化された仕事はAIやロボットが最も得意とする仕事です。導入コストが低くなれば人間よりもミスなく仕事ができますし人件費を削減することができます。

ロボットが仕事をする

中間層のシフトダウン

現在の岸田政権下では「成長と分配の好循環による中間層の再構築」を掲げており政策のテーマになっていますが、三井住友信託銀行の調査で以下のような報告内容が記されました。

<抜粋>
中間層の定義は様々だが、ここでは「年齢 30~54 歳、年収 400~900 万円の正規雇用者」と定義し、 その実態を見ると、①雇用者全体に占めるシェアが低下し、②低い年収層(400~550 万円)の割合が上昇する一方、高い年収層(750~900 万円)の割合は低下するなど、低年収化が進み、③貯蓄残高はこの 10 年間で横ばい~小幅減少に止まる-という厳しい姿が指摘できる。

つまり日本全体で所得が下降傾向にあり、多くを占めていた中所得世帯が低所得世帯にシフトダウンしているということです。

世帯所得の構造図

要因として給与が増加しないのに対し税金などの社会保障負担が増加していることが挙げられます。政府の政策としては賃金の上昇を促すため、賃上げをした企業に対し税制支援することを打ち出していますが私たちが実感できるレベルで変わることはないでしょう。

さらにAI・ロボットの台頭で今まで中間層が行ってきた仕事が奪われようとしているのです。残された道は「AI・ロボットができない仕事」または「AI・ロボットを導入するより人間がやった方が安上がりな仕事」しかありません。

スキルの掛け合わせとは?

「AI・ロボットができない仕事といっても、何をどうすればいいの?」

このように思うかもしれませんが確実な方法があります。それはスキルの掛け合わせです。今持っているスイキルに別のスキルを掛け合わせることで機械に真似できないあなただけの仕事を形成することができます。

◯◯×◯◯がシナジーを生む

スキルの掛け合わせがどのようなものなのか、例を挙げてみましょう。たとえば「ライター」と「サーフィン」ではどうでしょうか。

一見まったく関係のない「サーフィン」スキルですが趣味程度ではなく本気でサーフィンに取り組んだとします。その人はサーフィンのことなら2時間でも3時間でも語れるほどサーフィンの知識をもっているはずですよね。

さらにライティングスキルを持っているので、文章化することで実体験に基づいたサーフィンの魅力を存分に記事化することができるでしょう。

@takeno_kotori

さて、はたしてAIはこの「サーフィン」に特化した知識量に勝てるでしょうか?2〜5語単語を入力した文章は人の心を動かすほどの力はあるでしょうか?

このようにAIが知り得ない経験を掛け合わせることでAIには提供できない”価値”を創造することができます。異なるスキルの掛け合わせがシナジーを生み、「あなただけの仕事」になります。

スキルの掛け合わせが市場価値を高める

市場価値は需要と供給の関係から成り立ちます。価値が低いのは<需要が低く・普及している>状態、高いのは<需要が高く・普及していない>状態です。

マックジョブはAI・ロボットの台頭により普及度はすでに高いです。なので私たちが目指すべきは皆から必要とされる(需要の高い)、AI・ロボットがマネできない(普及度の低い)ポジションです。

市場価値のマトリクス

では普及度の低いポジションに行くにはどうすればいいのか。それがスキルの掛け合わせです。

日本人の一般的な考えでは1つのことに集中して深く追求することが美とされる風潮がありますが、それでは上には上がいるスパイラルから抜け出すことは困難でしょう。

それよりも異なるスキルを掛け合わせることで誰もいないポジションを自ら創出するほうが圧倒的に簡単です。世間の需要を考察し◯◯×◯◯で普及度の低い仕事を生み出すことが最短でポジションを獲得する方法です。

スキルを掛け合わせる多能工戦略

それでは希少性を獲得するための具体的な作戦を解説します。「多能工戦略」です。

多能工戦略のキャリアプラン

スキルを獲得するために、いきなり全く未経験の別分野を開拓することには勇気がいります。失敗してしまうリスクもあるでしょう。

なので私は最初は軸足を残した状態で片足だけ別分野へ移動することをおすすめします。つまり同業界の異職種(または異業界の同職種)へ移動する方法です。

私の例でいうと現在のポジションは<建設業界・電気工事士>ですが<建設業界・水道工事士>(同業界の異職種)へキャリアを移動します。

このように同業界であれば少なからず目指すポジションの情報は入ってきますし現在もっている知識を次に活かすことができます。軸足を残したポジションの移動がファーストステップとしては最良ではないでしょうか。

転職の業界・職種解説図

多能工とは

多能工化戦略の「多能工」とは何なのかというと、複数のスキルをもつスペシャリストのことです。多能工は工程を兼務することができるため希少性が高く非常に重宝されます。

多能工の例をあげると、もし1つの製品を完成させるためにA工程とB工程があるとします。
A工程にもB工程にも専任の従事者がいるのであれば、A工程のスキル獲得してからB工程へポジション移動することで、AもBも1人で出来る”工程またぎ”が可能になります。
2つの工程を1人で賄うため、人件費も削減でき、工程間の引き継ぎもありません。

このように工程を兼務することで価値を創出できる存在が「多能工」です。

多能工解説

【詳細記事】多能工とは?小子高齢化社会を生き抜く多能工のメソッド

前述した軸足を残したポジジョン移動と、この多能工は非常に相性が良いです。

同業界・同職種では希少性が磨かれません。異業界・異職種ではリスクが高すぎます。間をとった同業界・異職種(もしくは異業界・同職種)が最も堅実な選択でしょう。

多能工の場合、1つの製品・サービスを作る流れの中で違う職種があるので、必然的に同業界・異職種になります。つまり多能工の考え方こそキャリア形成において非常に重要です。

AIやロボットに勝る転職というスキル

ポジションを移動するには転職が必須になります。転職と聞くと抵抗感を示す人がいますが、転職も一つのスキルであると言えます。

なぜなら、AI・ロボットには転職ができないからです。彼らは非常に優秀ですが必要なくなったら捨てられてしまうのです。文字通り再起不能です。ですが我々人間には転職という武器があります。この武器を磨かない手はありません。

もちろん失敗してしまうこともあります。

「入ってみたらイメージしていた環境と違った」
「上司の圧力がひどい」
「この会社を選んだのは間違えだったかも」

そう思う時もあるでしょう。でも私たちはAIやロボットではありません。何回でもやり直しがききます。再起可能なのです。

失敗を教訓に企業研究や自己分析を深め、スキルを発揮できる場所や得たいスキルが学べる場所を探して一歩踏みだしましょう。それこそが私たちが持つAI・ロボットに勝る転職というスキルです。

【詳細記事】転職のマインド 終身雇用崩壊後の社会を生き抜く転職の重要性

スキルの掛け合わせで希少性を獲得する方法
  • 2030年には日本の労働人口の49%がAIやロボットに代替される。
  • 中間層のシフトダウンにより低所得世帯の割合が増える。日本全体で貧困に向かっている。
  • AIやロボットに真似されない自分だけの仕事をつくることが重要。スキルの掛け合わせ〇〇×〇〇で自分だけの仕事をつくるり希少性を発揮する。
  • 多能工化戦略は堅実なキャリア形成法。同業界・異職種(または異業界・同職種)のポジション移動で新たなスキルを獲得する。
  • 転職はAIやロボットには持てないスキル。失敗しても何度でもやり直せる。
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