転職のマインド

転職のマインド

終身雇用の崩壊、少子高齢化は現代の社会トレンドです。

AIなどのテクノロジーが我々の仕事を奪いつつあり、それはさらに加速するでしょう。

2015年に野村総合研究所から発表された調査結果では10〜20年後には日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能になると報告されています。

☞日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に|野村総合研究所

テクノロジーに奪われる仕事とは、決められた作業を繰り返すような単純作業が挙げられますが、未来はもっと残酷です。

電車の運転手や銀行員、さらには記事などを書くライターまで”なくなる仕事”といわれています。

現に日経新聞ではすでにAIのライターを導入しています。2〜5語単語を入力すれば勝手に文章を作成してくれるというのだから驚きです。

「どうせまだ先の話でしょ」ではありません。未来はすでに来ています。

私自身、この脅威はひしひしと感じています。

私は電気工事士として建設業に携わっていますが、現在、外国人労働者が建設業に参入してきています。彼らは自国で働くより高い給料が得られ、技術も習得できるこの環境でハングリー精神をもって取り組んでいます。

このままでは仕事を追われるのも時間の問題でしょう。

そこで私は多能工として市場価値を上げるべく「転職」という選択肢を選びました。

水道工事会社へ転職し、電気工事と水道工事がどちらもできる職人という希少性を得るため新しい航路へ舵をきりました。

☞筆者のプロフィール

当記事は転職に臨む上で必要なマインドに関して網羅的に記したまとめ記事です。この記事を読むことで今後のキャリアアップの指針としていただけると幸いです。

この記事でわかること

①終身雇用崩壊後の社会での働き方
②転職で得られるスキルの掛け合わせによる効果
③転職の注意点、後悔する転職とはどんな転職か?
④会社に依存しない個人主義人の転職の考え方

終身雇用の崩壊、現代の働き方とは

2019年4月、経団連会長が「終身雇用はルールではない。産業が新陳代謝する中で社会の仕組みが変わらなきゃいけない時代がきた。」と述べました。

またトヨタ自動車の豊田章男社長も「終身雇用を守っていくことは難しい」と発言しました。

日本の経済を先導するこの2人の言葉からも、既に終身雇用制度は崩壊に向かっていると言えるでしょう。

変わりゆく社会に対して、私たちの働き方はどのように変化するのでしょうか?これまでの終身雇用に慣れ親しんだ私たちの現状に関して整理してみましょう。

終身雇用制度とは

終身雇用(しゅうしんこよう)は、同一企業で業績悪化による企業倒産が発生しないかぎり定年まで雇用され続けるという、日本の正社員雇用においての慣行である。長期雇用慣行(ちょうきこようかんこう)ともいう。

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)


意外に思われるかもしれませんが、戦前までの日本は転職が盛んに行われていました。
特に工場で働く熟練工は、給与のより高い職場を求めて転職を繰り返し、優秀な人材の引き抜きも行われました。

そこで優秀な人材を引き留めるために企業が考えたのが年功序列型の昇給制度で、長くキャリアを続けてくれる雇用を生み出しました。これが終身雇用制度の始まりです。

その後、大戦に突入し労働者の移動が激しくなったことをきっかけに一旦は息を潜めますが、終戦後の高度経済成長期に入ると終身雇用制度は息を吹き返します。

急速な経済成長に対応するため企業は人材を確保し、長く勤めることで昇進・昇給・退職金が約束されました。そのような企業と個人との慣例が経済停滞した今なお残っているのが現状です。

終身雇用制度のメリットと制度崩壊後の社会はどうなる?

終身雇用制度のメリットは以下になります。

終身雇用制度のメリット

①年齢に応じて昇進・昇給する
②退職金がもらえて職歴が長いほどたくさん貰える

制度崩壊後の社会はこれらのメリットが反転します。

①社内で自分の価値を証明できなければ昇進も昇給もしない
②退職金は昔より貰える額は減る

事実、この10年間で退職金は平均で実に492万円も減少しています。

☞私たちが定年を迎える頃、退職金はもらえるの?|MONEY PLUS

さらに給与に関してはすでにこの20年間でずっと横ばいです。

(出典:(1)賃金推移 )

つまり日本全体で給与が高くならない傾向にある中、漫然と働いていては給与は上がらず、退職金もそこそこしか貰えないということです。

ジョブ型雇用とアメリカ化する日本

変化する働き方について深堀してみましょう。

日本は今後どのようになっていくかというと”アメリカ化していく”と思われます。
つまり「同一労働、同一賃金」「ジョブ型雇用」にシフトしていきます。

*同一労働、同一賃金:同一の仕事(職種)に従事する労働者は皆、同一の水準の賃金が支払われるべきという概念

*ジョブ型雇用:職務(ジョブ)の内容に基づいて必要な経験・スキルを持つ人材を雇用する制度

何故かというと過去の歴史から、それは明らかです。
今でこそ能力主義のアメリカですが、かつては終身雇用体制の国でした。

一流企業に就職して定年まで働き、庭付き一戸建ての家で専業主婦の妻と子どもたちと悠々自適に暮らす

このようなマインドがアメリカ人のステータスでした。

日本人はこのアメリカンステータスに強い憧れをいだき、猛烈に働くことで飛躍的な経済成長を成し遂げました。

高度経済成長期に入ると逆にアメリカは日本からの輸入製品ばかり売れるようになり、製造業で大打撃をうけ終身雇用制度は崩壊しました。

夫の収入だけでは生計を支えられなくなり、妻も働きに出ることで共働き社会に移行し、働き方を模索する過程で能力主義のグローバルスタンダードを確立しました。

現在の日本はインドや中国などの台頭により、かつてのアメリカと同じ岐路に立たされています。
日本が向かう先は既にかつてのアメリカが経験済みで、来るべき未来であるといえます。

個人の能力を上げる必要性

ジョブ型雇用が一般化した社会では1つの会社に帰属したサラリーマン(メンバーシップ型)は場所を追われるでしょう。なぜなら外部からくるスペシャリストたちに太刀打ちできないからです。

かれらは複数の会社で得たスキルを武器にプロジェクトに臨みます。

イメージすると、メンバーシップ型のサラリーマンは最初に得た剣をずっと研いでいる状態。対してジョブ型雇用のスペシャリストは剣や盾、ピストルに手榴弾といった異なる武器をたくさん持っています

ジョブ型雇用者とメンバーシップ型雇用者の違い

どんなときも臨機応変に対応できるのは圧倒的に後者です。
私たちもスキルを伸ばして自分の市場価値を高めることで企業に自分を売り込まなくてはなりません。

ではどうすればスキルを伸ばすことができるのか?
その手段こそが「転職」です。

転職で得られるスキルの掛け合わせ

一つの道を極めるのは難しい

「転職しなくても1つの分野を極めれば大成できる!」

たしかにそれも間違いではありません。1つの分野に的を絞って研鑽を積むことは古来からの日本の美学でした。ですがその道はとても険しいものになるでしょう。

仮に営業で社内成績トップの実績を残せるようになったとしても、市場には営業を生業にしている人は大勢います。市場全体から見た時に彼の営業成績は何位なのでしょうか。

また、その人の能力は所属する会社の規模より大きくはなることはありません

業界6位の会社内で1位の成績を挙げたサラリーマン

このように市場価値を高めるのに1つの分野に的を絞るのはある意味”リスク”であると言えるでしょう。

ではどうすれば市場価値を高められるのか。

それはスキルの掛け合わせです。

スキルの掛け合わせで希少性を獲得する

スキルの掛け合わせとは当ブログで解説している「多能工」の考え方です。
多能工とは複数のスキルを有する個人のことで、作業工程を兼務することで効率化を図ることができるマルチプレイヤーのことです。

☞多能工とは

例えば「営業スキル」を持つ人は大勢います。また「英会話スキル」を持つ人も大勢います。
ですが「営業スキル」と「英会話スキル」を両方持つ人はどうでしょう。
国内だけではなく海外にも広く営業を行える人材は少ないのではないでしょうか。

このように異なるスキルを掛け算することでシナジーが生まれ、大きな成果をだすことができます。

異なるスキルを得るためには別の分野へ飛び出さなければ獲得することはできません。

「転職」こそ新たなスキルを獲得するための手段なのです。

転職の注意点、後悔する転職とは

転職する理由を明確にする

転職を考えるときの注意点として「何故転職するのか」をしっかりと認識する必要があります。

「自分のことなのだから理由はわかっているだろう」と思われますが、意外と自己認識が甘く転職先でも同じ失敗を繰り返すことが多いです。

例えば今の仕事が自分に合っていないと感じて転職する人は、もしかしたら職場の人間関係に問題があったから仕事がうまくいかなかったのかもしれません。ならばまず試すことは人間関係の改善です。

それがわからずに転職しても、同じように人間関係が原因で失敗する可能性は高いでしょう。

転職することが目的になっている人が陥りやすいミスです。

転職を考えた原因を自身で深堀することで根本の問題が見えてきます。
また、他人に相談してみるのも有効です。客観的な目線の方が冷静に分析できるかもしれません。

本当に転職が必要なのかをきちんと整理しましょう。

転職先は同業界・同業種ではないか

転職先の職種にも注意が必要です。

前職と仕事内容がまったく同じ場合、比較的スムーズに新しい仕事に慣れることができますが、新しいスキルの獲得は望めないでしょう。

同業界・同業種では競争相手は依然同じままです。

少なくとも同業界・異職種か異業界・同職種に軸をずらして新地開拓しなければなりません。

シナジーが生まれる転職か

転職先は前職で得たスキルとのシナジーを意識した方が有利です。

新たなスキルを獲得しようと突拍子もない職種を選ぶと関係性がなさすぎてスキルの掛け合わせができません。

例えば「料理」×「プログラミング」ではどうでしょう?
何に転用できるのかさっぱり思いつきませんよね。

まずは『同業界・異職種』もしくは『異業界・同職種』で可能性を探ることをお勧めします。

筆者の場合は建設業界の電気工事の仕事をしていますが、転職先は建設業の水道工事です。(同業界・異職種)これにより水道工事もできる電気工事士としてのマルチスキルが形成できます。

すでに獲得しているスキルとシナジーを生める転職先を考えましょう。

転職はゴールではない

「会社主義人」と「個人主義人」の転職の違い

これまでの転職活動は「年収アップ」「福利厚生」「週休2日」などのタグを頼りに転職先を選びがちでした。

これはその会社での「待遇」を優先し、何を成すのか(どんな仕事をするのか)を企業に任せている「会社主義人」の考え方です。まさに安住の地を求めるような、転職が目的になっている状態です。

しかしジョブ型雇用が導入されると会社主義人は社内で能力を発揮できません。それは仕事(ジョブ)に焦点が定まっていない転職だからです。

「どんなことが得意で」「どんな仕事がしたくて」「どんなスキルを獲得したいか」を明確にし、職務内容で転職先を選ばなくてはなりません。

これこそ会社に働き方を依存しない「個人主義人」の考え方です。

転職≠目的、転職=手段

アメリカでの生涯の転職回数は平均で11回と言われています。

今の日本では到底考えられない数字ですが、前述したとおり日本もアメリカ化していくと見られています。

転職は特別なことではなくフランクに臨むべきかもしれません。

転職は自分がキャリアアップするための手段であり、「会社のために身を粉にして働く」という考えは今の時代に合っていないでしょう。「会社のために」ではなく「自分のために」が今のトレンドです。

私の感覚では多くの人が、転職自体が目的になっていると感じています。ですが概念がそもそも違って、転職は自転車や車のような「乗り物」であるという感覚の方がしっくりくると思います。

例えるならば公園で遊んでいる子が別の遊具がある公園へ自転車で移動するようなものです。転職が自転車での移動で、本来の目的は別の遊具で遊ぶこと(どんな仕事をするか)です。

転職も自転車での移動と同じなんだと思ってしまえば、案外気楽に望めるかもしれませんね。

転職して終身雇用崩壊後の社会を生き抜こう

『転職のマインド』を意識すればきっと転職への第一歩目が踏み出せるはずです。

転職は手段です。上手に使いこなして終身雇用崩壊後の社会を生き抜きましょう。

転職のマインド
  • 終身雇用崩壊後は「同一労働、同一賃金」「ジョブ型雇用」にシフトする。個人の市場価値を高めないと給料はあがらない。
  • 1つのスキルを極めて市場価値を上げることは大変。転職でスキルを掛け合わせて希少性を獲得することで市場価値を高められる。
  • 転職するときは「何故転職するのか」をしっかりと自己認識する。認識があまく同じ失敗をしがち。
  • 転職先は前職で培ったスキルとシナジーが生まれる職種がよい。全く同じであったり、あまりにも関係性がなさすぎる職種ではシナジーが生まれない。
  • これからは転職によってスキルを獲得していき、キャリアアップしていかないとAIなどのテクノロジーに仕事を奪われてしまう。転職≠目的、転職=手段。

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